音声広報CD「明日への声」トラックナンバー4(HTML版)|令和5年(2023年)1月発行分

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音声広報CD「明日への声」 vol.89(令和5年(2023年)1月発行)

トラックナンバー4

(タイトル:畠山)

151年目のスタート!日本の鉄道

(イントロダクション:畠山)

明治から令和まで、長い年月にわたって日本の暮らしと経済を支えてきた鉄道。現代では、新幹線をはじめとした鉄道ネットワークが全国に張り巡らされ、国内旅客輸送の約8割を担っています。一方で、鉄道を取り巻く環境が変わり、存続の危機にある路線も増えてきています。公共交通機関としての鉄道の意義・魅力について、改めて考えてみましょう。

(本文:Q.畠山/A.南雲)

Q:昨年、日本の鉄道開業150周年だったんですよね。鉄道は明治時代からあったのですか?

A:明治5年、新橋-横浜間にて日本で最初の鉄道の運転が開始されました。
鉄道はすぐに全国へと広がっていき、明治末期には全国的な幹線網がほぼ完成します。
鉄道で人々が往来するようになると、各地の産業は発展をみせていき、経済活動も盛んになっていきます。
こうして鉄道は日本の経済に大きく貢献してきました。

Q:各時代で、人々や物資をつなぐ役割を果たしてきたわけですね。今も、私たちの交通手段として活躍してくれている鉄道ですが、改めて鉄道の強み、魅力についてお聞かせください。

A:はい。鉄道の強みは、まず、輸送力が大きく、速達性に優れているところです。
例えば、新幹線は一度に約1,000人を時速300kmで運べます。長距離バスだと約60人を時速100kmとなりますから、違いがわかりますよね。現在では、新幹線をはじめとした鉄道ネットワークが全国に張り巡らされているので、旅客輸送では全体の約8割を鉄道が占めています。
また、鉄道は日常の交通手段としてだけでなく、時には非日常へとつないでくれる存在でもあります。駅弁に舌鼓をうちながら移動自体を楽しめたり、観光列車のように、移動のためではなく「乗ることを目的」とした鉄道があったり、観光という面においても魅力があります。
さらに、近年は、鉄道はほかの交通機関に比べ、環境に優しいという面でも注目されていますよ。

Q:環境に優しい交通機関というのは、どういうことなのでしょうか?

A:鉄道は、温室効果ガスの排出量が少ない移動手段といわれています。旅客輸送量あたりの二酸化炭素排出量は、自家用車の約1/8です。貨物輸送量では、トラックの約1/13となっています。この鉄道のメリットをより活かして脱炭素社会実現を目指せるよう、国としても、様々な検討を進めています。

Q:鉄道での移動を選択することは、地球環境の保護に貢献していることになるんですね。鉄道が現代社会でも、とても魅力的な交通機関であることがわかります。
一方で、ローカル鉄道などの存続が危ぶまれているという話もでていますよね?

A:そうなんです。地方部では、人口減少や少子高齢化の進行、自家用車の利用が増えたことなどで、鉄道利用者が減っています。大量輸送機関という、鉄道の特性が十分に発揮できない状況で、経営が厳しくなっている路線がとても多くなっています。

Q:サービスの規模と需要が合わなくなってしまったわけですか。

A:はい。これらの影響に加えて、コロナ禍で更に利用者が減ってしまったため、令和2年には、ローカル鉄道のほぼ全てが赤字となっています。また、近年の激しい自然災害によって鉄道施設に被害を受けている路線もあり、復旧に多額の費用が必要となるなどといったことから、ローカル鉄道は、存続にかけて大きな曲がり角にたっています。

Q:ローカル鉄道は深刻な状態なんですね。でも、鉄道がなくなってしまっては、困る人も多いですよね。

A:そうです。公共交通機関である鉄道は、沿線地域で暮らす人々の通勤、通学など日常生活を支えています。特に、車を運転できないこどもや学生、高齢者にとっては、大切な移動手段です。さらに、車の運転免許を返納した高齢者の移動手段としての受け皿になることも期待されています。利用者が少ないからと言って単純に廃止してしまうわけにはいきません。

Q:存続に向けて、何かできることはあるのでしょうか?

A:はい。地域の将来にとって、どのような交通機関や輸送サービスが必要不可欠なのかを、まずは沿線地域の皆さんがよく議論することが大切です。その結果、鉄道の活性化に取り組む場合は、自治体をはじめとする地域の皆さんが中心的な役割を担うことが何より重要です。

Q:鉄道会社だけではなく、沿線自治体の課題でもあるんですね。

A:地域によって求められるものは変わるでしょうから、それぞれの特性に見合った、コンパクトでしなやかな公共交通システムが出来ると良いですね。

(エンディング:畠山)

令和5年、日本の鉄道は開業から151年目という新たなスタートをきりました。
長い年月の中で、時代の求めに応じて進化を続けてきた鉄道は、今また時代にあわせた変革を問われています。多くの人を魅了し続ける鉄道。新たなあり方を求めながら、今日も人と人、街と街をつないでいます。さあ、鉄道で出かけましょう。

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