SNS利用による性被害等からこどもを守るには

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児童買春、児童ポルノの製造等、児童に性的な被害を与える犯罪行為や、児童の性に着目した形態の営業に関連して行われる違反行為は、「児童の性的搾取」と呼ばれています。こどもへの性犯罪は、こどもの人権を著しく侵害する極めて悪質な行為です。SNS利用による性被害等からこどもを守ることについて考えてみましょう。

1こどもの性被害はどのくらい発生しているの?SNS利用による被害が増えています

こどもの性被害をめぐる現状は、平成30年中の統計では、児童買春等の被害児童数が減少していますが、若干の減少に過ぎず、児童ポルノの被害児童数も、平成29年に一旦は減少しましたが、平成30年は再び増加しており、深刻な状況にあります。

児童買春事件等

(警察庁資料)

児童ポルノ事件

(警察庁資料)

児童ポルノ被害の約4割が、「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」で、児童がだまされたり、脅されたりして自分の裸体を撮影させられた上、メール等で送らされる被害が増加し、平成30年中、中学生の被害は前年に比べ減少していますが、小学生と高校生は増加しています。

【児童ポルノ事件】児童が自ら撮影した画像に伴う被害に遭った児童の推移

近年、中学生や高校生だけでなく、低年齢層の児童にもインターネットの利用が広まり、SNS利用による被害は、大半が児童買春や児童ポルノ等の性被害ですが、殺人や誘拐等の重要犯罪も発生しています。
30年中、SNS利用による被害は、5割強を高校生が占めています。また、被害児童のうち、約5割だけが学校で指導を受けていたと回答したほか、フィルタリング利用の有無が判明した被害児童のうち、約9割が被害時にフィルタリングを利用していませんでした。

【SNS】罪種別の被害児童数の推移

(警察庁資料)

【SNS】被害児童の状況

(警察庁資料)

こんな被害が起きています

  • 女子中学生は、SNSで知り合った男性モデルになりすました男に、言葉巧みに誘導され、自分の裸の画像を送信させられた。
  • 女子高校生は、SNSで知り合った男性に誘い出され、わいせつな行為をされて撮影された上で、「画像をインターネットに流す。」などと脅された。

参考)警察庁「STOP! ネット犯罪――知っていますか?ネットにまつわる犯罪」[PDF:1.47MB]

2こどもを性被害から守るにはインターネットを安全に利用するための家庭のルールを

お子さんが被害に遭わないように、保護者がお子さんのインターネット利用をきちんと見守っていく必要があります。
お子さんがインターネットを安全に使えるようにフィルタリングを利用するとともに、インターネットの危険な面についてもお子さんに教えることや、一緒にスマートフォンの使い方について家庭のルールをつくりましょう。

フィルタリングを利用しましょう

「青少年インターネット環境整備法」で、携帯電話販売店などには、新規契約時や機種・名義変更時、青少年確認・フィルタリング説明の義務があります。しっかり説明を受けて、年齢や利用に応じたフィルタリングを設定しましょう。

※フィルタリングとは、インターネット上のウェブサイト等を一定の基準に基づき選別し、青少年に有害な情報を閲覧できなくするプログラムやサービスをいいます。

家庭のルールは親子で話し合って

スマートフォンやインターネットを適切に使うために、次のようなことについて親子で話し合い、ルールを決めましょう。

  • 接続するサイトやダウンロードするアプリは保護者に確認する
  • 個人が特定される情報を書き込まない
  • 知らない人と電話やメール、メッセージの交換をしない
  • 他人のID、パスワードを勝手に使わない
  • 下着姿や裸の写真は撮らない、撮らせない
  • 利用料金や利用時間を決める
  • 困ったことがあれば必ず保護者にすぐに相談する
  • ルールを守れなかったときのルールを決める

インターネットの危険性を理解したり、安全に使ったりするために、警察庁「STOP!子供の性被害」の情報もぜひ活用してください。

3もしも被害に遭ってしまったら?警察や人権擁護機関などの各相談窓口に相談を

都道府県警察の少年相談窓口「ヤングテレホンコーナー」等、各相談窓口では、それぞれの専門家があなたの話を聞いてくれて、適切なアドバイスをしてくれたり、対処方法を一緒に考えてくれたりします。一人で悩まず、まずは相談してください。

また、児童ポルノは児童の人権にかかわる問題でもあります。法務省の人権擁護機関では以下のような相談窓口を設けています。

パソコンや携帯電話からインターネットを利用して、いつでもアクセスでき、相談を行うことができます。

コラム

こどもの性被害に対する取組~こどもの未来を守る社会のために

こどもの性被害防止に向け、政府の総力を挙げて取り組むべく、平成29年4月に「子供の性被害防止プラン(児童の性的搾取等に係る対策の基本計画)」を策定し、関係省庁が様々な対策を推進しています。

官民が連携した取組

こどもの性被害を撲滅するためには官民の連携が欠かせないことから、「子供の性被害撲滅対策推進協議会」を開催しています。
ここでは、政府と教育機関・自治体・NGO・事業者の団体等が一同に会し、こどもの性被害の現状の認識を共有するとともに、課題の解決やより良い施策を実施するためにそれぞれの立場から多様な意見を出し合い、その取組の充実と強化を図っています。

こどもへの性犯罪を許さない

18歳に満たないこどもに対する性犯罪は、仮にこどもの同意があったとしても重い刑罰が科されます。児童ポルノは、製造、提供、所持はもちろん、児童ポルノを求める行為や入手した児童ポルノを転送する行為も処罰の対象となります。

(取材協力:法務省、警察庁 文責:政府広報オンライン)

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