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令和元年(2019年)12月12日

紹介状なしで大病院を受診すると
特別の料金がかかります。

診療所や病院を適切に使い分けましょう。

紹介状なしで大病院を受診すると、診察料のほかに特別な料金がかかることをご存じですか。初診では5,000円(歯科の場合は3,000円)以上、再診では2,500円(歯科の場合は1,500円)以上の特別の料金がかかります。大病院は救急や重い症状の患者さんの治療を担う役割を持っています。軽症で医療機関にかかるときは、身近な診療所やクリニックを受診しましょう。

1.「特別の料金」がかかる大病院とは?

特定機能病院や許可病床が400床以上ある地域医療支援病院

私たちの周りには、診療所や地域の中小病院や総合病院、国公立病院、大学病院など様々な医療機関があります。
診療所やクリニックは、地域に暮らす人の日常的な病気や軽いけがなどを幅広く診療します。病院は、手厚い医療スタッフを置き、診断・検査・手術・入院などの設備を備えて、手術や入院を伴うような重症患者や救急医療などに対応します。さらに特定の分野で高い専門性を備えていたり、特に先端的な医療に取り組んでいたりする一部の病院などは、高度な専門医療が必要な患者に対応します。このように、医療機関はそれぞれの機能・役割をもっています。
しかし、中には、診療所やクリニックで診療できるような病気やけがの場合でも、大病院を受診するケースも少なくありません。それによって大病院の外来が混雑し、患者の待ち時間が長くなるだけでなく、救急医療や重篤な患者への対応など大病院が本来果たすべき役割にも支障が生じています。
そこで、軽症や日常的な病気の治療は診療所やクリニック、救急や重い病気の治療は大病院という役割分担を進めるための一つの方法として、平成27年(2015年)5月に成立した医療保険制度改革法により、紹介状なしで大病院を受診する場合、特別の料金を徴収することになりました。初診の場合は5,000円以上(歯科は3,000円以上)、再診の場合は2,500円以上(歯科は1,500円以上)の、病院が決めた額がかかります。

●初診時(再診時)に特別の料金がかかる大病院

特定機能病院
許可病床(医療法の規定に基づき許可等を受け、又は届出をした病床)の数が400床以上の地域医療支援病院

なお、「紹介」は、大病院を受診するよう診療所や他の病院から行う文書による紹介をいい、「逆紹介」は、診療所や他の病院を受診するよう大病院から行う文書による紹介をいいます。
詳しくは各病院にお問い合わせください。

また、「一般病床が200床以上で許可病床が400床未満」の病院については、「大病院受診時の特別の料金」を求めるかどうかはこれまで同様に各病院の任意とされます。また、一般病床が200床未満の病院や診療所では、この特別の料金はかかりません。

◎ただし、緊急時などやむを得ない事情のために、大病院を受診する場合は大病院受診時の特別の料金はかかりません。

●「大病院受診時の特別の料金」の徴収の対象外になる患者

・救急の患者
・国・地方の公費負担医療制度の受給対象者
※地方単独の公費負担医療の受給対象者については、事業の趣旨が、特定の障害・疾病等に着目しているものである場合に限る。
・無料低額診療事業の対象患者
・HIV患者(エイズ拠点病院における初・再診のみ)
・その他、医療機関の判断で、定額負担を求めなくてよい場合
(1) 自施設の他の診療科を受診している患者
(2) 医科と歯科との間で院内紹介された患者
(3) 特定健康診査、がん検診等の結果により精密検査受診の指示を受けた患者
(4) 救急医療事業、周産期事業等における休日夜間受診患者
(5)外来受診から継続して入院した患者
(6)地域に他に当該診療科を標榜する保険医療機関がなく、当該保険医療機関が外来診療を実質的に担っているような診療科を受診する患者
(7)治験協力者である患者
(8)災害により被害を受けた患者
(9)労働災害、公務災害、交通事故、自費診療の患者
(10)その他、保険医療機関が当該保険医療機関を直接受診する必要性を特に認めた患者

このたび大病院の責務の1つとして「大病院受診時の特別の料金の徴収」が規定されたのは、「医療機関の機能分化」をさらに推し進める必要がある、と考えられたからです。
では、なぜ「医療機関の機能分化」が必要なのでしょうか。次章でその理由をご説明します。

2.なぜ、大病院受診時に特別の料金が徴収されるの?

医療機関の機能分化を進め、質が高く効率的な医療を実現するためです。

「医療機関の機能分化」(図1)は、大病院と中小病院・診療所が互いに連携しながらそれぞれの特徴を生かして異なる機能を担うことをいい、それによって質が高く効率的な医療を実現できるとして長らく取り組まれてきました。
中小病院・診療所は、地域医療の窓口としての機能が求められます。風邪や下痢、軽度の裂傷など身近な病気やけがに対応するとともに、専門性や高度な医療の必要性に応じて、他の適切な医療機関へ患者を紹介します。
大病院は、中小病院・診療所からの紹介に応じて、重い病気や深刻なけがのためにより高度かつ専門的な医療サービスを必要とする患者を受け入れます。適切な治療によって回復期に入った患者には、身近な中小病院・診療所を紹介します。そして患者は中小病院・診療所で回復支援・リハビリなどを受けて復帰を図ります。
こうした、中小病院・診療所から大病院への「紹介」、大病院から中小病院・診療所への「逆紹介」が円滑に行われることで、中小病院・診療所と大病院がそれぞれの役割を効率的に果たすことを期待しています。

図1:医療機関の機能分化

しかし実態は、初診時に紹介状を持たない患者、すなわち中小病院・診療所を受診することなく初診から大病院を訪れる患者が、大病院の外来患者の半数以上を占めています。
大病院に患者が集中することにより、医療スタッフの負担が過重になり、本来担うべき専門的な医療や高度な医療の機能を十分に発揮できないといった課題が生じています。また、患者にとっても、病院での待ち時間が長くなる、診察時間が短いなどのデメリットも生じています。

これから日本では、高齢化の進展に伴って、医療サービスへのニーズは質、量ともにさらに増大するとみられます。限られた人材・設備・予算でそれに応えていくためには、医療機関ごとの機能をこれまで以上に明確にし、それぞれの特徴を十分に生かせるようにしていくことが必要です。
そして、この特別の料金の徴収により、大病院などの機能強化を図っていくことになります。

3.医療機関を利用するときは?

かかりつけ医に相談して症状に合った医療機関を受診しましょう。

「風邪をひいた」「熱がある」「お腹の具合が悪い」など、体の不調を感じたら、まずは、身近な中小病院・診療所を受診しましょう。できれば、地域の中小病院・診療所のなかから、あなたの「かかりつけ医」を決めておくことをお勧めします。かかりつけ医は、あなたの身体の状態を把握し、日常の健康管理や体調の変化などを気軽に相談できる身近な主治医です。
かかりつけ医は地域医療の中核を担う病院や特定機能病院などと連携し、検査や高度な医療が必要になったときには適切な医療機関に紹介します。かかりつけ医からの紹介を受けて病院を受診する場合は、特別の料金もかかりません。また、病院での入院治療が終わったら、退院後は、かかりつけ医が治療をサポートしていきます。

もちろん、突然の重病や重傷など、緊急性が高い場合や高度な治療が必要と思われる場合は、かかりつけ医にこだわることはありません。
地域によっては、次のような電話相談窓口に相談してもよいでしょう。

#7119 救急安心センター事業
(実施エリア:東京・大阪・奈良ほか。自治体によって名称が異なります。)
#8000 子ども医療電話相談事業
(各都道府県に窓口があります。)

患者が診療所や病院を適切に使い分けることで、診療所や病院はそれぞれの機能を十分に発揮できることになり、それによって患者は必要な医療をスムーズに受けやすくなることにつながります。

コラム

いわゆる「コンビニ外来受診」や「はしご外来受診」はやめましょう

救急外来は、急な病気やけがなどで、緊急に治療を要する患者のために、夜間や休日も患者の受付を行っている外来です。近年、軽症の患者が夜間や休日に救急外来を受診する、いわゆる「コンビニ外来受診」が増加し、勤務医の負担が過重となるとともに、緊急性の高い重症の患者の治療に支障をきたすケースも発生しています。
「昼間や平日は忙しいから夜間や休日に病院へ」と考える方もいるかもしれませんが、一般的には、病院にとっても業務の主要時間帯は平日の昼間です。休日や夜間は、外来対応スタッフの人数を絞り、検査や治療などの体制を縮小しているのが普通です。通常の業務時間と同様の医療サービスを期待するのは、難しいといえるのではないでしょうか。
また、緊急性の低い患者がわざわざ夜間や休日に受診することで、勤務医の負担が過重となるとともに、緊急性の高い重症・重傷患者にしわ寄せがいく可能性もあります。
休日や夜間の受診は緊急性の高い場合に限り、安易な「コンビニ外来受診」はしないようにしましょう。
なお、小さい子供が休日・夜間に病気等になり、受診をすべきかの判断に困った場合はまず、「子ども医療電話相談 #8000」にご相談ください。小児科医師・看護師等から、子供の症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
また、むやみに同じ病気で複数の医療機関を受診する、いわゆる「はしご外来受診」も控えましょう。重複する検査や投薬によって、医療費を増やしてしまうだけでなく、かえって体に悪影響を与えてしまうおそれもあります。今受けている治療に不安や疑問がある場合は、そのことを医師に伝えて話し合ってみましょう。

<取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン>

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